東海道五十三次“濱松・冬枯ノ図”のほうき再現プロジェクト

第五話 ほうき草の栽培方法を取り調べ?

[ ブログ ]  2015/06/12

歌川広重が東海道五十三次を描いたのは1833年、江戸時代の天保4年と言われています。わずか30数年後には明治維新を迎えることになるわけですが、江戸時代の、しかもここ浜松のほうきを再現する・・聞いただけでもなかなか面白そうです。

前回、いろいろな方のご厚意により、国産のほうき草(ホウキモロコシ)の種を入手できましたが、栽培方法をしっかりと調査しなければ今までの努力が水の泡となってしまいます。それにJA青年部様からの協力を得られない可能性も・・・
タイでの生産であれば問題ないのですが、日本とタイでは土も気候も異なります。そもそも日本の中でも地域によって栽培方法が異なるくらいですから、やはり浜松にあったほうき草の栽培方法を見つけ出す必要がありそうです。

種の入手と併せてほうき草の栽培について、知り合いの種屋さんこと、三方原農園の大石様に相談をしていたところ、浜松市水窪町で以前ほうき草を作っていた方を探し出してくださいました。ちょうどその方が浜松駅前の「浜松市ギャラリーモール ソラモ」で農産物を出店するということでしたので、話を伺うことに。奇しくも2月26日、JAさんとの最初の会合を持った次の日です。
 

K 「興奮しますね。ちょうど昨日、JAさんと話し合いをして、ほうき草の栽培方法についてもう少し詳しく調査しなければならないって思った矢先ですからね。」
Y 「関係者の方々にホント感謝だね。我々だけだったら何もできなかったから。」
K 「やはりタイと浜松ではほうき草の栽培方法は異なるんですかね?」
Y 「大きくは変わらないと思うけど、その地域の特性をつかんでないと、やっぱりダメだと思う。」
Y 「まずはKさんの得意な聞き込みだね。」


無事に三方原農園の大石様と合流し、ほうき草を栽培していた西尾ふくよ様を一緒に探すことに。
 

K 「それにしても、ソラモはすごい賑わいですね。」
大石様 「そうですね。それぞれの地域の農作物や手作りの雑貨を持ち寄っていますから。食べ物はやっぱり新鮮でおいしいですよ。それにここは遠鉄(遠州鉄道)浜松駅からJR浜松駅への通り道なので、いろんな方が立ち寄ってくれるようです。」
K 「目が泳いでしまって、本来の目的を忘れそうです。」
大石様 「でも私も母から買い物を頼まれているので。それに、せっかくなので買い物していかれた方が喜ばれると思いますよ。ここの焼き芋は絶品ですよ・・」
K 「ごくり・・」
大石様 「石焼と違って、独自の蒸かし器(自家製)で時間を掛けて作っていますから。中からふっくらして、甘みが凝縮しています。」
K 「ごくり・・」

帰りに焼き芋を買って帰るという目先の目標が定まり、Kはまたしてもヒートアップ・・・
 

K 「今回も実況インタビュー形式で私がブログをまとめます。いいですね!」
Y 「・・・・・・・・・・・・・・」


タイトル:ほうき草の栽培方法を聞きにいってきました!
(またしても勝手にタイトルを変えてしまいました)

今日の浜松はあいにくのお天気ですが、私たちの心は晴れ渡っています!
なぜなら、ついに私たちは「ほうき草」を栽培したことがあるという方を見つけることができたのです!いろいろな方に情報提供をお願いしている中で、ついに「三方原農園」様が情報を入手してくださいました!

午前11:30「浜松市ギャラリーモール ソラモ」に到着!

「浜松市ギャラリーモール ソラモ」に到着!
今日は、午後2時までこの「ソラモ」で様々な地域の方が農産物や手作りの雑貨を販売するということで、にぎわいに満ちています。

三方原農園様にも同行頂いて一緒に「ほうき草」を栽培したことがあるという方のお店を探しますが、魅力的な農産物が多く、あっちをみたりこっちをみたり…目が泳いでしまい、本来の目的を忘れそうになります(笑)。

魅力的な農産物が多く、あっちをみたりこっちをみたり…目が泳いでしまい、本来の目的を忘れそうになります
「ゆず」を使った商品を扱っているとのヒントを頂き、お店を探していると、ありました!!!水窪町の「芝垣ゆず園」西尾ふくよ様です。

今回写真はNGとのことでしたので、販売されていたおいしそうな食品の数々をご覧ください。
ゆずジャム、ゆず茶、ゆず酢にゆずこしょう!

ゆずジャム、ゆず茶、ゆず酢にゆずこしょう
ゆずジャム、ゆず茶、ゆず酢にゆずこしょう
さて、話を戻し「ほうき草」栽培の様子を聞いてみます。

西尾さんは、お父様から育て方を教わり「ほうき草」の栽培をしていたとのこと。
当時、「ほうき草」は「ほうき」の原料としてではなく、実を収穫する食用として育てていたようです。「ほうき草」から食物が取れるという事実自体、驚きです!

そして、収穫後、刈り取った茎の部分をお父様がほうきにしていたとのこと。
「柔らかくてね、意外と掃き心地がよかったな」と西尾さんは笑顔で語ってくださいました。

西尾さんは、昔を思い出しながら、貴重な話を一つ一つしてくださいます。
 

西尾さん 「ほうき草は畑で栽培していて、種をまいたのは、ジャガイモの収穫が終わった5月中旬くらいです。まず苗を育てて、30cm位までになったら、3〜4本をまとめて、50cmくらいの等間隔で植えました。2mくらいまで成長するので、まとめて植えないと、夏頃に折れてしまいます。苗が長く成長しすぎた場合は、上を切ってから植えました。」


次から次へと重要な情報が出てきてもう大興奮です!素早くメモを取る一方で、質問もどんどん出てきます!
 

アズマ 「水はどのくらいあげればいいのでしょうか?」
西尾さん 「苗が育つまでは水をあげていました。植え替えたらトウモロコシの栽培と同じくらいの頻度で水をあげました。たくさん水がいるようなイメージはないですね。」
アズマ 「肥料はどうですか?」
西尾さん 「普通の有機肥料を2回あげていました。うちは畑が斜面なので、肥料が流れていかないように、高い斜面側にあげていましたね。」
アズマ 「虫はどうですかね・・・?」
西尾さん 「カメ虫とアブラムシ、あとはハチと鳥かな。茎が食べられてしまいます。実がつくと今度は鳥が食べてしまうので、網で覆って保護するといいかもしれません。」
アズマ 「収穫はいつくらいでしたか?」
西尾さん 「9月くらいだったかな。そういえば近所の80才くらいのおばあちゃんがね。『種だけは残さないと』と言って、毎年ちょっとずっとほうき草を育てているんですよ。」
アズマ 「今年も育てるんですか!?」
西尾さん 「私もそう思って聞いてみたんですけどね。種が風で飛んで行ってしまったみたいなんですよ。」
アズマ 「・・・・そうなんですね。」


様々な質問をたくさんさせて頂きましたが、全てにキチンとご回答くださる西尾さん。
興奮状態で質問しているので、周りからみたら取り調べのようになっていたのかもしれません(笑)。

とにもかくにも、これで「ほうき草の育て方」の資料がつくれます!
西尾さん、本当に!!!ありがとうございました!

pho_5.jpg
 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何かと勢いがあるもので・・すみません。」
大石様 「いいんです。気にしないで・・・・・・・・」
お互い 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
大石様 「ところで5月に種を植えるのであれば、十分に暖かいのでビニールマルチをしなくても大丈夫そうですね。」

ビニールマルチ

(  ビニールマルチをした畑  )

「そうですね。手間が省けてよかったです。でも畝はやっぱり必要でしょうか?」
大石様 「水はけが良いのなら畝はいらないと思います。畝をつくると水はけが良くなりすぎる可能性がありますから。」
「虫はカメ虫、アブラムシと言っていましたが、7月か8月ぐらいに消毒をする必要がありますね。」
大石様 「そうですね。消毒すれば大丈夫だと思います。ただ、心配している虫がもう一種います。実の中に入り込んでしまう『アワノメイガ』という蛾の幼虫です。ト ウモロコシによくつく虫です。消毒である程度は防げますが、中に入り込んでしまうことがよくあるので、100%防げるとは言い切れません。やはり育ててみないとなんとも言えない所はありますね。」
「無農薬で育てるとした場合はやっぱり大変ですよね。」
大石様 「(きっぱり)大変です。木酢などいろいろ方法はありますが・・。ただそれはそれで検討してみましょう。」


こうして、ある程度浜松でのほうき草栽培の道筋が見えてきました。西尾様、大石様ありがとうございました。

ここでタイでの生産方法と比較するために、弊社の製造課長で、タイでほうき草、ほうき作りに携わってきたTにも話を聞きました。
 

「タイと日本ではやっぱり生産方法は異なるのでしょうか?」
「根本的な違いとしては、タイでは田んぼでほうき草を栽培していること。あとは一年に2回栽培していることでしょうか。」
「た、田んぼですか?」
「そうです。田んぼです。タイでは米の生産の合間にほうき草を作っています。最近はその合間にトウモロコシも生産しているようですが・・」
「と、トウモロコシですか?」
「やっぱり日本と同じで、ほうき草の栽培は種まきから収穫まですべて手作業ですので、基本、嫌がります。だから、それよりもてっとり早く生産できるコメとかトウモロコシが人気です。」
「それと、さっき1年に2回生産って言いましたが、3月に収穫されるほうき草は若干品質が落ちます。気温と水の問題が大きいと思われます。」
「同じ場所でも時期によって品質が異なるんですか?」
「そうです。ほうき草は他の植物と比べて変化に対応できる方だと思いますが、その分、他の要因からの影響も受けやすい点があります。」
「肥料はどうですか?」
「もともと土壌がしっかりしているので、種をまく前に窒素系の肥料をまいて耕す・・これは通常の土づくりとあまり変わらないと思いますが・・、それからもう一回、追肥をします。それだけです。」
「水まきとかは?」
「種まきした後、発芽するまでは丁寧に水まきしますが、それ以降はよっぽどのことがない限り、特に何もしません。ちょうど、雨季と重なりますので。」
「害虫なんかは?」
「日本でいうアブラムシやカメムシはいません。特に害虫という害虫はいないと思います。たまに農作業にあたっている人が蛇にかまれるくらいで・・・だから、特に何もしません。」
「へ、ヘビですか・・・」


日本とタイではやはり環境が異なるようです。結局は試行錯誤で浜松にあった栽培方法を見つけないといけませんが、これだけの情報を集めれば、きっとJA青年部様との協議でも生かされるはず。いよいよ次回、JA青年部様との協議の日です。乞うご期待。

追伸)焼き芋はほくほくして甘みがあり、絶品でした。ちなみに「芝垣ゆず園」様のゆずこしょうも、ちょうど良い辛さでたまりませんでした。ごちそうさまでした。